レーザーテック株式会社レーザーテック株式会社

Engineer

Lasertec エンジニア

SATO
NAO

佐藤 直
2014年入社
理工学研究科 
物質基礎科学専攻(修士)

すべてはお客様から
スタートする

入社して最初の3年間は顧客担当(アプリケーションエンジニア)として、レーザーテックが開発した検査装置をお客様の工場で立ち上げた後、お客様と一緒に使い方を考えたり、メンテナンスをしたりする業務に携わっていました。レーザーテックの製品は、お客様の使用目的や要求仕様をベースに開発を進めるので、エンジニアにとって何よりも重要なのがお客様を知ることです。私が担当しているウェハ検査装置も、お客様によって使い方が全く異なります。装置自体は同じでも、ウェハ表面の塗膜のムラを検出したり、表面上のゴミを発見したり、使用目的が異なるケースがほとんどです。その目的を実現するためには、光学条件やソフトなどをチューニングしたり、新たにデバイスやアプリケーションをつくったりする必要があります。私たちはその現場に入り込んで、最新の半導体製造工程を体感しながら、工程のどの段階で検査するのが適しているかをアドバイスしたり、装置自体を改造したりしながら、お客様の問題を解決します。それによって自分自身も製品や技術に対する理解を深め、問題解決能力を高めてきました。

開発スピードで
圧倒する

現在は、半導体ウェハを高解像マクロ光学系を用いて検査する、高速検査装置の開発を担当しています。システム全体の取りまとめと、光学系のリーダーを担っています。開発担当にアサインされた時には緊張感もありましたが、アサインされた嬉しさと、何より新しい装置をつくり上げていくことに対するワクワク感の方が格段に大きかったことを覚えています。開発のメインテーマは、従来にはない高感度かつ高速処理が可能な検査装置を実現すること。そのために、光学、機械、電気、ソフトのエンジニアが一体となって、どうすればお客様の要望を実現できるかに挑戦しています。半導体の世界では、何よりもその製品が最先端であることに大きな価値があります。そこで鍵となってくるのが開発スピードです。お客様から「こんな検査機能が欲しい」と言われたときに、最短距離で装置をつくり上げるのは、レーザーテックが得意とするところ。現在の検査装置の開発でも、到底実現できるとは思えないような難題に対して、メンバーと共に検討を重ねながら、無我夢中で開発を進めてきました。現場でお客様との議論の中から新しいアイデアが生まれるケースも多く、それが最終的にスピード感と完成度の高さが両立するものづくりに繋がっています。まさに他社には真似ができないような戦い方が、当社の強みだと感じています。

真の要望(ニーズ)を
引き出す

この仕事で大切にしているのは、お客様の言葉の裏にある「真の要望」を聞き出すこと。半導体業界は、プレイヤー企業たちが日々世界初・最先端の実現のためにしのぎを削っている(惜しみなく研究開発投資を行っている)世界。それ故にお客様が見据えている未来像の機密性の高さも筆舌に尽くしがたいものがあります。あるいは、そもそも当社の検査装置を使ってお客様が何を実現したいのかが、お客様自身も明確ではないケースが少なくありません。どんな検査がしたいのか、どんな装置や機能が必要なのか、どんな未来を実現して競争が激しい半導体業界をリードしていきたいのかを、お客様とじっくり会話をして引き出したうえで提案を行うために、信頼関係の構築がとても重要になってきます。会話を通して抽出される「真の要望」はその多くが新しい試みであり、誰も解決策を知らないケースは珍しくありません。しかし、世の中で誰も取り組んだことがない技術だからこそ、そこに一番の価値があるのです。お客様と一緒に試行錯誤し実験しながら、推理を重ねて、失敗の繰り返しで解決していくしかありません。その結果、ようやくできあがった解決法(機能)で、実際に半導体製造過程での欠陥の発生を抑えることができて、お客様から「皆さんのお陰だ、ありがとう」と声をかけていただいたときは、技術者としての醍醐味と大きな達成感を感じました。

自らの発想を
カタチにする

かつて私が顧客担当(アプリケーションエンジニア)だったとき、お客様のサンプル画像を解析し、当社の検査装置の最適な活用法を検討している際に、新しいウェハ全面計測の手法を思いつきました。居ても立っても居られなくなった私は、新横浜本社に戻り一人で検証を進め、その手法の実現性に確証がもてた段階でお客様に提案しました。すると非常に好評で、その機能を活用して製造した半導体に関する論文を、お客様が学会で発表して賞を受賞されたときには、私も自分のことのように喜びました。
レーザーテックのエンジニアの中には、自分の胸の中で秘かに技術やアイデアを温めている人が多くいます。私ももちろんその一人です。同世代のエンジニア同士でランチを食べながら、自分が実現したい技術について語り合い、盛り上がることがよくあります。同じ熱い想いを持つ仲間との議論は時間を忘れさせてくれて、昼休みでは足りないことも(笑)。それをカタチにしていくことも、技術者としての夢ややりがいではないでしょうか。これからも一技術者として、革新的なブレイクスルーを起こすようなアイデアをベースに、新しい装置の開発に挑戦していきたいと考えています。